労働組合

労働者の声を代弁する候補者を支える

参議院選挙の選挙運動もラストスパート

 4日から始まった参議院議員選挙も残り一週間。各陣営、ここからラストスパートといったところでしょうか。

 労働組合は政治活動ばかりしているわけではないと以前から書いていますが、労働組合と関係の深い候補者も多く、こと参議院議員選挙については熱が入ります。

 特に比例区には組合内候補とされる候補者がいますので、そういう候補者の選挙運動について連日色々なところから連絡や指示があったり、どこかへ赴いたりと、慌ただしくしているうちに一日が終わっていきます。

https://www.jtuc-rengo.or.jp/25th_sangiin/#hirei

 実際のところ選挙期間中に労働組合は何をしているのか尋ねられることもあるのですが、案外そういう質問には答えにくいというのが正直なところです。特に隠し立てするようなことはないのですが、それぞれにそれぞれの関わり方があるので、「選挙期間中の労働組合員の一日」みたいなことを、一般化して語るのが難しいのです。

 ただ、選挙戦の後半に差し掛かるこの時期ですと、決起集会を開催する候補者が多く、その会場に皆で集まるというのはよくある活動でしょう。

 いわゆる「動員」というやつです。これは労働組合とは関係の薄い自民党の候補者であっても行っていることで、自民党の場合は各種の業界団体などに動員の依頼をかけているはずです。

 労働組合と関係のある国民民主党や立憲民主党の候補者の場合は、まずは連合に声をかけるということになります。そして、そこから、順々に各労働組合に連絡が来るわけです。

 決起集会には当然マスコミも入り、その様子が伝えられます。もちろん、その様子を各候補者の陣営は見ています。ですので、どれだけの熱量を示すことが出来るのかが問われます。参加する労働組合としても、ここが腕の見せどころとなります。

始まってしまうと意外と仕事は少ない

 決起集会への参加など、選挙期間中に組合員が選挙に関わることもあるのですが、実は、選挙が始まってしまうと、組合員が関わる場面は思われているよりも少なくなります。

 もちろん、選挙期間中に行われる電話がけなどに組合員が関わることもあるので、まったく関わらないということではないのですし、比例区の組織内候補の陣営は基本的に労働組合によって構成されていますので、そういうところでは労働組合員も連日あらゆる運動を担っているということになりますが、それ以外の選挙区の候補者の陣営では、労働組合はどちらかと言うとサポート役となります。言ってしまえば、「足りないところを補う」というのが労働組合の役割となります。

 そうやって言うのは簡単なのですが、実際には「足りない」となる場面は突発にやってきます。個人的な経験ですと、「選挙カーの運転手さんが急遽家庭の事情で一日参加が出来なくなったので、誰か運転手をお願いしたい」とか、「党の代表が応援に入ってくれるのだが、○○駅から応援演説の会場までの足がないので、送迎をお願いしたい」といった依頼が候補者の陣営からありました。

 私個人では、候補者と一緒に自転車に乗ることになったことがあります。これも、当初は候補者の後援会の方が候補者の後ろを追いかけて自転車に乗る予定だったのですが、連日の選挙運動で疲れ切ってしまって、自転車に乗れないとなり、その日は電話がけのお手伝いのために選挙事務所にいた私がその中でも一番若かったという理由で声がかかったのです。

 選挙の手伝いは何かと大変なことも多いのですが、それでも、私たち労働者の声を代弁してくれる候補者を国会に送り出すというのは何事にも代えがたいことです。

 さりとて、労働組合が前面に出て選挙運動を展開しているのは比例区の組織内候補者が中心で、そういうところ以外ですと労働組合は何だか見えないところで動いている影の存在です。それがかえって、労働組合の印象を悪くしている可能性もありますが、実際には仕事の合間を見て選挙のお手伝いをしているのが大半です。残り一週間、各職場との調整も行いながら、労働組合も精一杯の活動が続くのです。

 是非、労働組合が支援している候補に一票をと書きたいところですが、まずは何より投票に行って欲しいと思います。