入社から2週間
多くの会社で、新入社員の皆さんが入社して2週間経過したのでしょうか。最近は、内定を出した後にも、何かと会社に集められて、内定者懇親会だとか入社前の研修だとか行われています。ですので、2週間と言っても、もっと長く会社で働いているような気分になるのかもしれません。それでも、入社式を経て働くようになると、あるいは新人研修が始まると、これまでとは違ったと疲れに見舞われるのではないでしょうか。
もしかすると、「この会社に入社したのは間違いだったかも」なんて思っている新入社員もそこかしこにいそうですね。
内定者の状態ですと、会社としても「お客様」扱いで、それこそ逃げられないように手厚く遇してくれますが、入社してしまえば「身内」になりますので、少々の無理なら問題ないだろうと、「採用試験のときには、そんなこと言っていなかったのに」と思うようことも求めてきたります。そんなとき、「こんなはずではなかった」と新入社員としては思うはずです。
かく言う私も入社したての頃は何度もそんな理不尽な気持ちになりました。
試用期間と解雇予告の関係
入社から2週間という話を冒頭に書きましたが、これは重要な時間が経過したことを意味します。
解雇予告について定めた労働基準法第21条により、試用期間中であっても、入社日から15日目以降になると、予告解雇か解雇予告手当が義務付けられるからです。
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000049#89
試用期間中であれば、いつでも予告なく解雇が出来ると思われているようですが、それが可能なのは14日目までです。この4月に入社して試用期間中の皆さんは2週間を超えましたので、試用期間中であっても突然解雇されることは法律上なくなったと言えます。
「法律上は」と書いたのは、このあたりの規定をきちんと守らない会社があったり、規定を知らないので、破られても何の対応もしない人がいるからです。
ちなみに、法律用語が二つ登場しました。
「予告解雇」と「解雇予告手当」です。
予告解雇は、少なくとも30日以上前に解雇の予告をすることです。
解雇予告手当は、予告解雇をしないときに支払う手当のことです。これは30日分以上の平均賃金とされています。
試用期間が終わって、正式に社員として働くようになっても、いつ解雇の憂き目にあうか分かりません。まさかと思うことが、会社では起こります。そんな時に困らないよう、労働に関する法律には最低限通じておいて、自らの身は自ら守れるようにしておく必要があるでしょう。「予告解雇」と「解雇予告手当」はきちんと覚えておきたい重要語です。
困ったときには労働組合に相談してみよう
新入社員は基本的には試用期間が終わると労働組合に加入するという仕組みに、多くの会社はなっているはずです。ですので、新入社員が試用期間中に会社との間でトラブルがあったりしても労働組合が出る幕がないように思えてしまいがちですが、そういうわけではありません。会社に労働組合があるようでしたら、困った時などは相談に訪れてみると良いと思います。
と言っても、特に新入社員の皆さんには労働組合は敷居が少し高いかもしれません。そういう時には、各県の連合の労働相談を利用するという方法もあります。
例えば、東京都であれば、連合東京が労働相談のフリーダイヤルを開設しています。
http://www.rengo-tokyo.gr.jp/html/faq/
4月から働き始めて、まだまだ労働組合なんて縁遠い。これが新入社員から見た労働組合の実情だと思いますが、働く人のために存在するのが労働組合です。新入社員の皆さんも積極的な参加と活用をと思います。