労働組合

労働組合の組合費とは

春闘の労使交渉が進む

 春闘の労使交渉が妥結したというニュースも見受けられるようになってきました。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-21/S96VGCT1UM0W00

 こちらはホンダとマツダが組合の要求に対して満額回答したというニュースです。賃上げの機運が高まっているなか、ホンダやマツダの労働組合としては、まずは成果を出せてほっと一息といったところでしょうか。
こういう状況では、労働組合の執行部も組合員からの期待があるので大変です。「毎月、高い組合費を払っているのだから、それを上回るくらいの賃上げを勝ち取ってこい」と、言われることもあります。確かに、決して安くない組合費を払っているのだから、そう言いたくなるもの分からなくはありません。

組合費の決め方と相場

 ところで、毎月支払われている労働組合の組合費はどのように決められているのでしょうか。
 労働組合に関する事柄は労働組合法で決められていますが、組合費については特に法律では決められているわけではなく、それぞれの組合で額を決めています。
 概ね、「月例基本給の○%(但し上限を*円)+上部団体費○○円×12 ヵ月」のようなかたちで決められているはずです。
 
 組合費の相場ですが、2022年に連合総研が公表した「第20回労働組合費に関する調査報告書」によると、正規雇用の組合員1人あたりの月額組合費(加重平均)は平均5,066円でした。これは、2018年の前回調査から95円減少しています。
https://www.rengo-soken.or.jp/work/2022/09/161100.html

組合費の使い道

 組合員から集めた組合費の使い道ですが、上に紹介した式の「上部団体費」は文字通り上部団体に渡して、残りの部分を、50%が活動費、30%が人件費、20%が事務所費といった具合に割り振っているのが一般的ではないかと思います。
 なかには、人件費を割いていないところもあるでしょうが、その場合には活動費や事務所費にあてているはずです。その中から、組合員へ渡す祝い金やお見舞金も捻出しています。

 集めた組合費は全て使ってしまうわけではなく、ストライキ時などに備えて、一部は使わずにとってあります。

 組合費の使い道については、年1回の総会(大会)の場で予算を決めています。あまり関心が払われるものではないかもしれませんが、組合費の使われ方に少しでも関心がある組合員の方は、ただ組合費を払うだけでなく、その予算もチェックしてみると良いと思います。