8月に内定報道があったが
先月末、連合の次期会長にUAゼンセンの松浦会長が内定したという報道がありました。
それらの報道に対して、連合は憶測記事であるとの見解を出していました。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/news/article_detail.php?id=1161
なかなか決定に至らないとは言え、通常であれば既に次期会長が内定している時期でしたので、最終調整の局面なのかと思っていましたが、まさかの展開が待っていました。
次期会長は、副会長の芳野友子氏が昇格することになったというのです。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021092801188&g=eco
次期会長はJAMから
次期会長に内定した芳野氏は、ものづくり産業労働組合(JAM)を出身とします。
http://www.rengo-tokyo.gr.jp/html/30th/interview06.html
JAMも連合の中では五番目に組合員数の多い産業別労働組合ですので、芳野氏もこれまで副会長を務めていたわけですが、まさかの会長昇格と言って良いでしょう。
と言うのも、芳野氏の他に12名の副会長がおり、なおかつ、芳野氏は「女性代表」という位置付けの副会長であったからです。
会長と副会長の間には、2名の会長代行もいます。また、組織的には事務局長も有力な役職で、実際に現事務局長の相原康伸氏も今回次期会長にとの報道がありました。
JAMからは初の連合会長就任となります。さらに、女性初の会長就任ともなります。
立憲民主党と国民民主党の溝を越えて
今回、連合の次期会長職が決まらなかった理由に、連合が支援する立憲民主党と国民民主党との間に溝があったことが指摘されています。
各産業別労働組合で主に支持する政党が分かれているということもあり、連合本体がどちらかに肩入れしようとすると、反対側からは異論が出るというような状況で、あえて火中の栗を拾うようなこともしたくないという産別組合も少なくなったのではないかと思います。実際、次期会長として名前があがった人物が出身組合の意向もあって辞退するということもあったと聞きます。
JAMには、組織内候補の現職国会議員がいません。その組合員数を考えれば、参議院の全国比例で国会議員を送り込みたいところですが、2016年の参議院議員選挙で組織内候補が落選して以来、現職国会議員がいません。
これが今回の会長人事にどのような影響を及ぼしたのかは分かりませんが、立憲民主党と国民民主党のどちらかに表立って次期会長が重心を置かないということの現れかもしれません。
私たち末端の組合員にとっては、正直なところ、誰が連合の会長になっても何かが大きく変わるようなことはありません。ただ、これから国政選挙が続きますので、その時に、どのような支援を行うのかで実際にどのような作業を担うのかが変ってきます。 10月6日の定期大会で正式に選出される次期会長がどのようなかじ取りを行っていくのか。直ぐに総選挙が待っていますので、最初の動き出しに注目ですね。