労働組合

組合専従とは

大規模な労働組合で採用されている組合専従

 「組合専従」と聞いても、実際にその立場にある人に接したことがないという人も少なくないと思います。労働組合があっても、必ず組合専従が置かれるわけではありませんので、組合活動をしていても、「組合専従なんて遠い存在」という認識なのではないでしょうか。
 あるいは、「労働貴族」などと呼んで、組合専従を好ましくない存在かのように言う人もいるかもしれません。

 実際のところ、組合専従とは、どのような立場なのでしょうか。
 
 組合専従は、従業員の身分を保持したまま、もっぱら組合職員の業務に従事する人のことを指します。組合専従の制度を「在籍専従」と呼んだりもします。

 大規模な企業の労働組合では、その活動量も大きくなりますので、組合活動の業務だけに従事する組合専従を置く必要性が生じるのです。

組合専従を置く手続き

 組合専従を置く場合、従業員を休職扱いにしてもらい、その従業員は会社に在職したまま、その労働は会社ではなく労働組合で行うことで実現します。
 このような従業員の扱いを認めるかどうかは、使用者側に裁量があるので、労働組合が使用者側に在籍専従制度の導入を提案したとしても、それを受け入れるかどうかは使用者側が決めることになります。

 大企業の労働組合では、一般的に在籍専従制度が導入され、なかには多数の組合専従を置いているところもありますが、その制度が導入されていないところで、これから導入するのは難しいというのが実情でしょう。

 問題となるのは、既に在籍専従制度が導入されているなかで、その廃止や縮小を図ることです。使用者側としては、従業員を「供出」するわけですから、出来たらあまり導入したくない制度です。

合理的な根拠なしに廃止は難しい

 では、在籍専従制度は廃止できるのでしょうか。
この制度を合理的根拠なしに廃止することは、支配介入の不当労働行為となり得ると考えられています。
使用者が在籍専従協定を破棄したことにつき、それが不当労働行為とされた裁判例として、駿河銀行事件(東京地判平2.5.30)があります。

在籍専従制度は、一般的に、あまりよく思われなくなってしまっているかもしれません。ただ、労働組合の活動を行っていく上では、どうしても必要になってくる制度です。組合専従がいるといないとでは、その活動の「厚み」が変わってきます。

 在籍専従制度、とりわけ専従期間中の労働者の待遇については、労働協約や会社内での慣行によって定められるのが一般的です。使用者と労働組合の間で、適切な労働協約を結んで、より良い在籍専従制度を運用していきたいところです。