労働組合

2024年の労働組合活動に向けて

2023年は「賃上げ」の一年

 細々と一労働組合員の日記として書き継いでいるこのサイトですが、2023年はこれが最後の投稿となります。
 2023年は思いのほかアクセスがある時もあって、労働組合への関心が集まる時も意外とあるのだなと思いました。特に2023年は、賃上げが社会的課題として強く認識された一年だったようで、賃上げに関する投稿へのアクセスが多かったです。
 労働組合の活動でも、賃上げに関する話題は常に中心にあった一年だったと思います。

2024年の春闘は

 既に、2024年の春闘へ向けた活動は始まっています。
 この12月1日には、連合から「2024春季生活闘争方針」が公表されています。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/2024/houshin/data/houshin20231201.pdf?9423

 2024年春闘のスローガンは、「みんなで賃上げ。ステージを変えよう!」です。2023年は「くらしをまもり、未来をつくる。」だったので、今思うと、少々焦点がぼやけたものだったのですが、2024年は「賃上げ」を前面に出して時宜を得たものになっているのではないかと思います。

ビジネスと人権

 ところで、「2024春季生活闘争方針」には、2023年の方針にはなかった項目が追加されています。それが、「Ⅲ.2024 春季生活闘争の取り組み内容」の「4.「ビジネスと人権」の取り組み」です。前後の項目は2023年の「取り組み内容」にもあったのですが、この4.が追加されたのです。
 その内容は、以下のとおりです。

 労働組合は企業活動における特別なステークホルダーであり、ビジネスと人権について、積極的に取り組む責任がある。連合の考え方17を活用するなどして、企業規模・業種・海外取引の有無にかかわらず、連合加盟のすべての労働組合がそれぞれの現場で取り組みを進めていく。

「2024春季生活闘争方針」

 この文章に続いて、次のような具体的な取り組みが七項目あげられています。

1)労働組合として対応すべき自社に関する人権課題などを検証・確認しつつ、実情に応じてビジネスと人権に関する取り組み方針を策定する。
2)企業に対し、自社の人権方針、国連指導原則をはじめとする国際規範、取引先の対応などについてのビジネスと人権に関する教育・研修の実施を求める。
3)ビジネスと人権を扱う労使協議機会の確保に努める。具体的には、既存の労使協議の場で扱うことや、必要に応じて委員会や協議機関の設置を求める。

「2024春季生活闘争方針」


年末になっても大物芸人の過去の性的加害事件に関する週刊誌報道がありましたが、2023年は、ジャニーズ事務所の問題をはじめとして、ビジネスと人権について考えさせる事件が相次ぎました。

ことは芸能界に限らず、日々の職場でも、あらためて見つめ直してみれば、「これ、人権問題なのでは?」ということもあるはずです。さすがに、セクハラ・モラハラのたぐいは目の前で見聞きする機会はだいぶ減ったように思いますが、取引先の企業ではそういう問題が起きたという話は聞きます。
上に引用した項目のなかにも、「取引先」と出てくるように、自社で問題がなければそれで良いというわけではなく、取引先を含めて人権に配慮した活動が求められているのです。

賃上げはもちろん大事ですが、2024年は、ビジネスと人権という観点からも労働組合として積極的な活動を展開していきたいところです。

本年もアクセス頂いた皆さま、ありがとうございました。