11月28日に実施
11月28日に、連合と経済同友会の幹部懇談会が実施されました。
両者による懇談会自体は特に珍しいことでもなく、今年4月に実施された際のリリースが連合のWebサイトにも残っています。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/news/news_detail.php?id=1966
今回の幹部懇談会では、「継続的な賃上げを進める方針を共有した。」とのこと。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA280TV0Y3A121C2000000/
労使による懇談会で、賃上げを進める方針を共有したというのは大きなことですが、ここで方針を共有したからと言って、各企業が必ず賃上げを図るわけでもなく、これから労働組合側としては春闘に向けて働きかけを強めていく必要があります。
リスキリング?
懇談会の中で、経済同友会の新浪代表幹事から、賃上げに向けてリスキリングや転職しやすい環境の整備が不可欠であるとの指摘があり、これに対して、連合の芳野会長は、個人で出来るリスキリングには限界があって、長期の雇用に基づく人材育成が重要だとして慎重な姿勢で応じたと報じられています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231128/k10014270911000.html
これは雇用の流動性にも関わる問題で、連合としては慎重な姿勢を示さざるを得ないところ。こういうテーマになると、労働組合側は歯切れが悪くなるというか。どうしても、「今の職場での雇用を守る」という話になりがちで、転職しやすい環境整備みたいな話には乗りにくいのは事実でしょう。
リスキリングというのも必要なことなのですが、ともすると、労働強化にもつながりかねないので、芳野会長の長期雇用に基づく人材育成という返答は妥当なところでしょうか。
来年の春闘に向けて
今年の春闘では、多くの企業から好回答が続き、30年ぶりの高水準となる賃上げが実現しました。それでも物価高に追いつけず、実質賃金はマイナスとなってしまっています。
今回は経済同友会との懇談会でしたが、経団連なども含めて、経営側に連合としては賃上げ向けての働きかけを強めて欲しいところです。
もちろん、個々の労働組合の頑張りも求められていますけどね。
ちなみに、2024年の春闘のスローガン(案)が公表されていて、「みんなで賃上げ。ステージを変えよう!」になるようです。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/2024/houshin/data/houshin20231109.pdf?907
だいぶ大きくステージを上げたいところですね。