春闘集中回答日 相次いだ満額回答
今年の春闘の集中回答日、3月15日。例年とは違った熱気を帯びた一日になりました。
事前に労働組合からの要求どおりに満額回答する企業が相次いでいたことから、集中回答日にも満額回答やそれに近い水準の回答の企業が多数あることは予想できましたが、予想以上に労働組合の要求に満額回答とした企業が多くなりました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230315/k10014008541000.html
夕方や夜のニュース番組でも、例年以上に時間を割いて春闘について報じていました。
その中では、ベースアップだけではなく、初任給の引き上げを取り上げた番組もありました。
https://twitter.com/hst_tvasahi/status/1636006877804003334
春闘では、ベースアップだけではなく、労働条件について様々な要求を行っています。ベースアップが重点的な要求事項であることにはかわりありませんが、上記の初任給もそうですし、一時金なども重要な要求項目となります。
一時金についても満額回答の企業が見受けられましたし、日立のように満額回答に限りなく近い回答のところも数多くありました。
https://www.sankei.com/article/20230315-DF6M3ZLXTZPURDHBE4OKGO36WU/
各労働組合がこれまで粘り強く要求してきたことが実現したのは嬉しいことですね。
集中回答日以降も回答は続く
15日は集中回答日でしたが、この後も断続的に回答のある企業があります。特に、集中回答日以降は、中小企業からの回答が中心となってきます。
大企業であれば、労働組合の賃上げ要求に応えやすくとも、中小企業となると、そう簡単ではないというのが実情でしょう。そういうなかで、いかに賃上げの動きを中小企業にも波及させていくのかがこれからの焦点となります。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-15/RRJD1QT1UM0W01
そこで必要となってくるのが社会全体での賃上げの気運の醸成でしょう。
こちらでも連合による全国キャラバンを紹介しましたが、賃上げが必要だという社会全体の気運が経営側への判断にも影響を及ぼすはずです。
https://roudou-diary.com/2023/01/31/20230131/
特に、昨今では労働者の確保が問題となっている業界や企業もあります。そういう中で、賃金が安ければ、労働者の確保もままならなくなります。
社会全体が賃上げの気運となり、賃金が安いところでは働こうという人もいなくなる。そうなれば、賃上げに躊躇する経営者も賃上げを考慮するはずですし、さらには給料以外の労働条件の改善にもつながっていきます。
春闘の集中回答日で賃上げなど労働組合の要求に対する満額回答が相次ぎましたが、この流れを中小企業や社会全体へとつなげていく。さらには、次年度にもつなげていく。今回成果をあげた労働組合も気を引き締めて、今後の活動に注力していく必要がありますね。